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秋山流軍学

精神に重点を置く

将軍の軍学が士気とか軍の精神とかいうものに、特に大きな重点を置いていたのも、見逃すべからざる特徴の一つである。前期小笠原中将の所記の如く、古代水軍軍書中「舟を攻めずして人心を攻む」「敵の気を奪う」等の言葉に将軍がいたく共鳴していたということでもその一班が窺われる。

将軍が大尉時代、米国留学中に、我が海軍当局に寄せた図上演習に関する意見書にも此の精神が見える。

意見書中将軍は言っている。「惟うに吾人の達せんと欲する最頂点は、親ら碁盤に対するも、又岡目の位置に在るも、寸毫八目の差なく、虚心平気、機宜に従いて萬事を即理し得るの妙域に到るにあり」と。

つまり実践に臨んでも、平時演習時に於けると同様の余裕を持ち、精神の平衡を失わざらんよう力説したものである。

因みに山口鋭中将の説によると我海軍に図上演習を取り入れたのは、秋山将軍が米国留学中、米国から輸入したものであるという。

出典: 伝記「秋山眞之」(兵学篇)より